古城シンフォニア 上原一馬

 

「古城シンフォニア」

194cm×274cm 2014年
ベニアパネルにウレタン,アクリル,油彩
 

  • この国はどこへ行っても来訪者たちを深いコーヒーと辛ワインが迎えてくれる。
  • 遠き北への旅。
  • 丘の上にそびえる古城には、幸と不幸の長い歴史が染み込み、今は静かに眠っている。
  • 目の前に現れた一人の旅の女性。
  • なぜ私と同じ古城を選んだのか。
  • 一人旅での迷い道も彼女にとっては楽しみなのか。
  • 瞳の奥には淋しさと強さがあった。
  • 誰も知らないはずの異国で、目は確かに行き先を見つめていた。
  • 今でも音楽は確かに流れ続けている。
  • 軽やかに歩む彼女の歌を待ちかねているように。
  • 彼女は中世からの使者なのか、それとも現代のどこかで生き続けているのか。
  • 帰る場所などなくても、どこへでも行ける。
  • 花は咲き、一瞬香ったかと思うと通り過ぎ、すぐ消えた。
  • 遠く遠く、もう出会うことのない場所へ。