上原一馬 2026年のブログ
UEHARA Kazuma's Blog
2026.01.31
令和7年度 東京藝術大学 卒業・修了作品展
今年も東京芸大卒制の時期となった。
新しい感性と出会える1年に一度の楽しみ。
予約制になってからも、会場は多くの人で埋め尽くされていた。
オンラインの時代になってからも、毎年入場者は増え続けているように思えた。
五嶋伶那「龍」
日本画。迫力と、画面の美しさに圧倒された作品。
渋い黄土色でありながら、目に飛び込んでくる。
描いているものの実体がつかめない。
鹿のようなものかと思えば、うろこがあり、龍が描かれているようだ。
鳥のようなものものも描かれている。
どんなに見ても幻想のようにすり抜けていく。
しかし、その画面は確かな技術力に支えられている。
ざっと描いているように見せて、緻密な塗り重ねが強さとなって心つかまれる。
なかなか見ることのないレベルの高いような、空想の日本画作品だった。
劉柏辰「文本記憶」
小さな作品なのに、心をとらえられる、引きつけられる力がある。
作品の奥深さが伝わってくる。
単純な感情というよりは、複雑に絡み合ったものを感じる。
記憶の世界を描いているようだ。
写真では表せない記憶の形。
その場面を見た人が、その人の感情でとらえた一瞬の時間世界。
記憶は不確実で、その輪郭は曖昧だ。
しかし、確かに脳裏に浮かび上がり、忘れられない場面記憶だ。
その記憶をリアルに描き出していく。
あいまいな部分はあいまいに。
印象的な部分はよりリアルに。
その時、この絵は写真よりも真実を描いたことになるのだと感じた。